は地球の周囲を約二十七・三二日周期で公転する。これによって地球と太陽と月の位置関係も周期的に変化し、その結果、地球上では月があたかも満ち欠けしているように見える。

 太陽系を上空から眺めたとき、太陽―月―地球の順で直線状に並んでいれば地上では新月に、太陽―地球―月という順で並んでいれば満月となる。一方、太陽と地球を結ぶ直線に対して直角を成すような位置に月があれば、地上から見える月は上弦あるいは下弦だ。

 新月から三日月、上弦、満月をへて再び新月に至るまで満ち欠けひとめぐりの日数は約二十九・五三日。月が一公転するあいだに地球も自分自身の軌道を少し移動しているため、月の満ち欠け周期は公転周期よりも少し長くなる。

 その地球は太陽のまわりを約三六五・二四二五日周期で公転しているが、ここで視点をもう少し広げて太陽系全体を俯瞰してみると、地球より内側では水星、金星が太陽の周囲をまわっているのがわかる。その周期は水星が約八十八日、金星が約二二五日。

 また地球より外側では火星が約一・九年、木星が約十二年、土星が約二十九年、天王星が約八十四年、海王星が約一六五年と、それぞれ固有の周期で公転している。

 そして実はこの太陽系自身も、より大きなスケールで公転していることをご存知だろうか。

 天の川銀河に属している私たちの太陽系は、銀河中心から約二万六一〇〇光年の位置にあり(銀河円盤の直径が約十万光年)、銀河全体の回転とともに約二億年の周期でまわっているのだ。速度にして秒速約二四〇キロ。超高速である。もっとも太陽系の誕生が約四十六億年前なので、まだ二十三回ほどしか周回していないことになる。

 さらにいうと、天の川銀河もまた宇宙空間に静止しているわけではない。超銀河団の影響を受け、毎秒約六〇〇キロほどの速さで一定方向へ動いているという。

 こうして見てみると、月の満ち欠けや、それをもたらす太陽・地球・月のあいだに働く力学はいうにおよばず、気の遠くなるほど長大な宇宙の営みにまで、和暦は連なっていることに気づく。

 和暦の「わ」の字は、「まわる」のわ。日々の暮らしのなかで、ここまで壮大な視点を意識する必要はないが、こよみを開くたびに、あの果てしなく広大な宇宙と直接的につながることのできる機能を、和暦が有していることはまちがいない。

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