グレゴリオ暦/2017.01.13 UP  カテゴリー「月の万葉歌

【 月の万葉歌 】
ひさかたの 月夜(つくよ)を清み 梅の花 心ひらけて 我(あ)が思へる君(巻8-1661)


《ポップ語訳》
♪空の高くに、月がけがれなく清々と輝いているので、梅のつぼみが花を開かせるように、私のこころも清らかに開いて、あなたを想っているんです♥♪


 「ひさかた(久方)の」は、月や日、雲、光など、天空にあるものにかかる枕詞。「久方」だけで天空や日、月そのものをさすこともあります。

 万葉集で恋愛を題材にした歌を「相聞歌(そうもんか)」といいますが、この歌もそのひとつ。作者の紀小鹿女郎(きの をしかの いらつめ ※「いらつめ」は”郎女”とも書き、セレブ女子に対する敬称)が、万葉集編さんの中心人物でもあるモテ男子、大伴家持(おおともの やかもち)に贈ったものとされます。

 紀小鹿は安貴王(あきおう)なる皇族の奥方なのですが、どうやらこの安貴王、ほかに女をつくってヨロシクやった挙句、それがバレてちょっとしたゴシップになっていたらしい。それで小鹿さん、家持に走ったのでしょうか。

 当時は歌を詠んで特定の相手に贈ったり、贈られたりする「贈答」という風雅な遊びが歌詠みたちのあいだで流行しており、小鹿と家持も贈答をしあっていました。もっとも家持はほかの女子とも贈答しています。

 贈答は恋愛感情やそれに近い気持ちがベースとなる慣習といえますが、歌のやりとりをとおした疑似恋愛を楽しむ知的遊戯といった風もあったようなので、小鹿が家持に対して必ずしもマジLOVEだったかどうかはわかりません。

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