和暦を知る

和暦のしくみ

月は約二十九・五日周期で
満ち欠けを繰り返している

 和暦のしくみはとても簡単。新月から上弦、満月、下弦、そしてまた再び新月へと、約二十九・五日周期で繰り返される月の満ち欠けひとめぐりを、そのまま一か月という単位にしたのが和暦だ。

月の満ち欠けと和暦の日付

月の満ち欠けと和暦の日付

 日本では古来、新月を「朔(さく)」、満月を「望(ぼう/もち)」とよぶことから、月の満ち欠けひとめぐりを「朔望月(さくぼうげつ)」ともいう。和暦のひと月はちょうどこの朔望月一回分に相当する。

 
和暦の日付は新月からの日数

 和暦には新月の日を毎月のはじまりとする決まりがある。だから毎月ついたちは必ず新月。「ついたち」はもとは「月立ち」と書いた。まさにこの日から新しいひと月が立ち上がるのである。

 ついたちが朔ならば、ほかの日付はいずれも朔から何日目にあたるかをあらわすことになる。このことから和暦では日付がわかればその日の月の形がわかる。

 朔~上弦~望~下弦それぞれの間隔はおおむね七日前後。したがって和暦の日付で朔から七日後にあたる八日前後なら空に浮かぶ月は上弦、さらに七日後の十五日前後なら望、二十三日前後なら下弦というわけだ(月の軌道が楕円であるなどの理由で、九日が上弦になったり、十六日が望になるなどの前後はある)。

 すなわち和暦では、日々刻々と変化していく月の満ち欠けとこよみが完全に連動している。つまり和暦を使うことは、まさしく月の満ち欠けと同じリズムで毎日を送るということを意味しているのである。

 自然や宇宙のサイクルと私たちの毎日の暮らしをしっかり同期してくれる。この点にこそ和暦の真価はあるといえるだろう。