月の基礎知識

月と地球の距離

年3.8センチずつ月は地球から遠ざかっている

◇月が地球に最も近づく近地点と離れる遠地点

月と地球の距離

月と地球の距離

 地球の周囲を公転する月の軌道は正円ではなく、楕円を描いています。正円と比べた楕円のつぶれ具合の割合を「離心率(りしんりつ)といいますが(離心率0=正円、離心率0<1=楕円、離心率1=放物線)、月軌道の平均離心率は0.0548799。正円に近い地球の離心率0.0167と比べると、つぶれ度合いは大きいといえます。このため地球中心から月までの距離には、図のように近いところと遠いところが出てきます。

月は近地点を過ぎると公転軌道をひとまわりして再び近地点に戻ってくるわけですが、これには月の公転周期27.32日より少し長くかかります。
それは近地点自体もまた月の公転と同じ方向にゆっくりと移動しているため。太陽の重力影響によるものです。近地点が月の公転軌道上をひとまわりするのにかかる時間「対恒星近点順行周期」は、3232.606日=8.85年。これがあるために結果として月が近地点を出て再び近地点に戻るまでの周期「近点月」は27.554550日となり、公転周期27.32日より5時間半ほど長くかかることになるわけです。

 月がその軌道上で地球に最も近づく位置を「近地点(きんちてん)、逆に最も離れる位置を「遠地点(えんちてん)といい、それぞれの地点までの地球からの距離は近地点で約35万6400キロ、遠地点で約40万6700キロ。平均では約38万4400キロとなります。

 近地点付近を通過する際と、遠地点付近を通過する際では月が公転軌道上を移動する速度も異なり、遠地点では遅く、近地点では速くなります


◇月の公転を加速させる力とは

 さて、月と地球は互いに及ぼしあう力が共通重心でバランスよく釣りあっているために、平均約38万4400キロの距離をうまいこと保ちながら公転しているわけですが、実際にはこの軌道に安定して収まっているわけではありません。実のところ、月は徐々に地球から離れていっているのです。

潮汐による加速とブレーキ

潮汐による加速とブレーキ

 満潮は海水と海底の摩擦などが原因で、実際に月が南中するタイミングより遅れて起こります。つまり海面の高まりは月の真下ではなく、地球の自転方向に向かって少し先にできるわけです。この高まりは月方向に引っ張られているのですから、結果的に自転とは逆方向への力が加わることになり、地球の自転にブレーキをかけるような作用をもたらすことになります。月の公転と自転が一致しているのも、このメカニズムによります。


◇地球の自転速度もどんどん遅くなっている

 現に、サンゴの化石に残された成長縞や過去の日食の記録を調べることで、地球の自転速度は100年に1000分の1秒程度の割合で遅くなり続けていることが、現在わかっています。これによると地球誕生直後の1日は5時間程度、4億年前の1年は約400日で1日は22時間ほどだった計算に。

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