月の基礎知識

大潮と小潮

満月と新月の日、引力は最大に

◇満潮と干潮の潮位差が最も大きくなる大潮

 毎日2回ずつある満潮と干潮はおもに月の重力(引力)によって引き起こされますが、その潮汐(ほかの天体の影響で海水面や地表面が隆起したり、低くなったりする現象)の大きさは月の満ち欠けによって異なります。

 新月と満月のときには満潮時と干潮時の潮位の差が最も大きい「大潮(おおしお)に、上弦と下弦のときは逆に両者の差が最小となる「小潮(こしお)になります。これは地球が月だけでなく、太陽からの重力影響も受けているためです(月の半分弱程度。月の潮汐力:太陽の潮汐力=2.2:1)

 新月と満月の日は太陽と月と地球が一直線上に並んでいます(参照:朔弦望 図。これにより月の影響がもたらす満潮・干潮に太陽の潮汐力が加わることで、満潮が通常よりも高い潮位に、干潮が低い潮位となるわけです。


◇大潮時の干満差は数メートルから最大十数メートル

 大潮時の具体的な干満差は場所によって異なりますが、日本海側で0.3~1m、東京湾で2~3m、有明海では3~6m、海外に目を向けると、観光地として名高いフランスのモン・サン・ミシェルで最大15mもあることが知られています。

モン・サン・ミッシェル
 ↑潮がひいて海が陸と化したフランスのモン・サン・ミッシェル。干潮時以外は城のある島はぐるりを
 海に囲まれている。写真/Low tide at Mont Saint-Michel Kenzo Tribouillard (CC)

 昔から日本には「彼岸潮(ひがんじお)」という言葉があり、一般に春・秋の彼岸時期は大潮の干満差が年間を通して最大になるといわれています。しかし2006年、海洋気象学会誌に掲載された論文『彼岸潮は年極小』 久保田効 著/海洋気象学会『海の気象』 Vol.51,3, 18-25, 2006-03-30)によると、実際には日本周辺では春・秋よりも、むしろ夏・冬のほうが大潮時の干満差は大きくなるようです(詳細はリンク先論文を参照)

 また台風などの低気圧が近づくと海面が持ち上げられ高潮(たかしお)となりますが、これが大潮と重なると海面はさらに高まり、いっそうの注意が必要となります。

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