グレゴリオ暦/2013年9月30日 カテゴリー「いろいろ , 文学」
山豊先生が亡くなりました
私の最も尊敬する作家のひとり山崎豊子先生がお亡くなりになりましたね。
結構なお年のはずだとは思っておりましたが、88歳とはちょっとビックリです。なぜって、山豊先生、現在まで現役ですよ。この年まで社会の矛盾や腐敗に対して徹底した取材をもとに冷徹な怒りをもち続け、闘いつづけた精神力には脱帽です。日本一胆力のある女性だったのではないでしょうか。
私的には山崎豊子といえばやはり『沈まぬ太陽』につきます。日航123便の御巣鷹山事故は私が十代の終わりにリアルタイムで”経験”した悲惨な事故で、あの暑い夏の日のことはいまでも鮮明におぼえています。
当時、私は居酒屋の厨房で働いていたのですが、深夜にフラッとあらわれ、ひとりでカウンターに座ったオッサンが冷酒をチビリチビリやりながら「九ちゃんが死んじゃったよぉ」と泣いていたっけ。国民的歌手の坂本九が同機に搭乗していて亡くなったんですよね。
山豊先生は、あの事故の背景を徹底的に取材し、日航の無責任さと無能さを完膚なきまでに暴露し、責任を追及しました。日航から相当な横ヤリが入ったというのは有名な話。そういえば何年か前の映画化の際にも日航が激怒して、非情な横ヤリを入れてきましたよね。
山崎豊子の不屈の闘志。私もサムライのひとりとして、ぜひ見習わねばと強く思った今日でした。ご冥福をお祈りします。合掌。