• ●読み方● 和暦=旧暦/月の出入=東京で月の中心が地平線に重なる時刻/(二)=二十四節気/(雑)=雑節/(節)
    =節句/(年)=年中行事/G暦=グレゴリオ暦 (新暦)/データ出典…暦要綱・暦計算室(国立天文台)/※月満ち欠け図は目安です。免責事項
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  • グレゴリオ暦/2016.02.13 UP  カテゴリー「月の万葉歌

    【 月の万葉歌 】
    月夜よし 川の音清し いざここに 行くも行かぬも 遊びて行かむ

    manyou_7

     万葉集には防人の詠んだ歌が数多く収録されています。

     防人はご存じのとおり、家族と離れ、当時辺境の地であった九州北部や壱岐対馬の警戒、防備にあたった兵士で、現在の自衛官や海上保安官にあたる存在です。

    manyo7

     上の歌を詠んだ防人佑(さきもりのすけ)大伴四綱(おおともの よつな)の防人佑という部分はこのひとの肩書で、防人司(つかさ)という防人をつかさどる役所の”佑(すけ)”という職を担っている、という意味です。

     佑は二等官にあたり、階級的には一応、上から二番目になりますが、当時の律令制下で「司」はランク下位の役所ですから、いまでいったら地方の役所の課長ぐらいの感覚なのではと推察されます。ちなみに防人司は現福岡の大宰府にありました。

     さて、歌の内容ですが、これはとてもわかりやすいですね。超訳すると、こんな感じでしょうか。

    「月はきれいだし、近くを流れる清流の音もここちよく響いている。さあ、都に帰る者も、そうでない者も、酒を飲んだり音楽を聴いたり、今夜はゆるりと楽しもうじゃない」

     ちょっとしたパーティーソングですね。

     『日本古典全集 萬葉集』(小島憲之 木下正俊 佐竹昭広 校注・訳/小学館)によると、古代の「遊ぶ」には日常から離れて心身を解放し、普段とは異なる別世界で陶酔する、といった意味があるようです。酒、詩歌、管弦、舞は欠かせないでしょう。もちろん麻を嗜むこともあったでしょうね。

     大伴四綱の詠んだこうしたこころもちは、現代にもそのまんま通じますよね。身分が高いとはいえない微妙な立場の役人である四綱の、「普段の仕事上のストレスから解き放たれて、ぱぁ~っとハメをはずしたい」感がどことなく滲み出ている点も好印象です。

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