• ●読み方● 和暦=旧暦/月の出入=東京で月の中心が地平線に重なる時刻/(二)=二十四節気/(雑)=雑節/(節)
    =節句/(年)=年中行事/G暦=グレゴリオ暦 (新暦)/データ出典…暦要綱・暦計算室(国立天文台)/※月満ち欠け図は目安です。免責事項
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    05. 満ち欠けごとの月の名


    月の出を楽しみにしていた日本人

    ◇満月以外の月もおがんだ月待ち

     日本には古くから月を愛でる習慣があり、三日月だろうと満月だろうとちょくちょく見上げ、それぞれの特徴をうまくとらえた呼称をつけていました。『万葉集』にも月を詠んだ歌は多く、そのたたずまいに格別な趣を感じていたことがしのばれます。

     江戸時代に大流行し、地方によっては現在も残っている風習に「月待ち」というのがあります。

     これはいわゆる「講(こう)」のひとつで、十七夜、十九夜、二十二夜、二十三夜、二十六夜など特定の満ち欠けの日に近隣のひとたちが集って月を拝み、飲食をともにして会話に興じたり、経を唱えたりしました。

     本来は満ち欠けごとに割り当てられた神仏の加護を得る目的の民間信仰行事で、身を清める精進潔斎(しょうじんけっさい)を必要としたり、参加は女性のみといった禁忌が定められていた例も多く見受けられますが、ご近所同士の慰安の側面もあり、一部では夜通しで月夜を楽しむ宴会のような様相に変化していったところもあったようです。

     月待ちの「マチ」の語源は「祀(まつ)る」のマツと通ずることから、月待ちの起源は仏教伝来以前にさかのぼるもっと純粋な月信仰神事だったのではないかと考えられます。


    ◇月の出は毎日約50分ずつ遅れていく

     さて、月を識る/月の出の項でくわしく解説してありますが、月の出は毎日平均約50分ずつ遅れていきます。つまり今日の18時に月が昇ったとしたら、翌日の月の出は18時50分ごろ、翌々日の月の出は19時40分ごろとなっていくのです(平均値による単純計算です。実際には50分より短い場合も長い場合もあります)。この事実により満ち欠けごとの月の出のタイミングは、おおむね以下のように決まってきます。

             新月(朔)…朝、太陽とともに昇る
             上弦…昼ごろ東の空に昇る
             満月(望)…日没とほぼ同時に東の空に昇る
             下弦…真夜中に東の空に昇る

     こうした月の出の遅れは月の名称の由来にも反映されているので、おぼえておくとイメージしやすいでしょう。

     満ち欠けごとの月の呼称は地方によって異なるなどバリエーションがありますが、代表的なものを次ページにあげておきます。これを見ると、かつての日本人が毎日の月の出を大変楽しみに待っていた風がうかがえます。