月を識る
  • ●読み方● 和暦=旧暦/月の出入=東京で月の中心が地平線に重なる時刻/(二)=二十四節気/(雑)=雑節/(節)
    =節句/(年)=年中行事/G暦=グレゴリオ暦 (新暦)/データ出典…暦要綱・暦計算室(国立天文台)/※月満ち欠け図は目安です。免責事項
  • 目 次

  • 月の基礎知識

    10. 月の出

    月の出

    月の出

     新月の日、地球から見た月は太陽と同じ方向に位置しています。ということは東の空に朝日が昇るとき、実はそのすぐ近くに月もあり、一緒に昇ってきているんです。月が地球のほうに影の側を向けているのと太陽のまぶしい光とで、肉眼で見ることはできませんが。

     一方、上弦のとき、太陽と月は90度の関係。朝日が東の空に昇ってくるとき、月はちょうど東の地平線より下方向に太陽から90度離れた場所にあります。つまり新月から7日ほど経過した上弦の月が地平線上に姿を現すのは、日の出から約6時間 (約50分×7日)たった昼ごろということになります。

     満月のときは月が地球を挟んで太陽とは180度反対側に位置しているため、太陽が西の地平線に沈むころ、月は同じタイミングで東の地平線から顔を出します。こうして夕方昇った満月が沈むのは翌日の日の出直前。だから満月の晩はひと晩中月あかりが地上を明るく照らします。そして満月の位置から90度離れている下弦では、月は日没よりさらに約6時間たった夜中に東の空から昇ります。

     日によって夜だけでなく、昼間の空に月が浮かんでいるのも、こうした理由からです。

    和暦手帳tsukinokoyomiでは毎日の月の出入り時刻も掲載してありますが、たまに出入り時刻が「–:–」と記載されている日があります。これは月の出が約24時間50分周期であることによります。たとえば午後12:30に昇った月の沈む時刻が、日付をまたいで翌午前1:00になるような場合、同日の月の入りが–:–となって、その日はまるで月が沈まないかのようなデータ表記になります。

     ただし月の出の遅れ50分はあくまでも平均値であり、30分程度のこともあれば60分のこともあります。また月の軌道が楕円などの理由で、新月~上弦~満月~下弦それぞれのあいだの日数もあくまでも7日前後であり、それより短いことも長いこともあります。


    ◇月の周期と人間の体内時計の周期は近似している

     このほか月の出の遅れに関連して特筆すべき事実があります。それは人間の体内時計が刻む1日の長さが、月でみた1日=24時間50分とほぼ同じであるということ。

     時計はもちろん太陽の明暗変化による昼夜のちがいもわからないような、時間経過を客観的に知る手がかりのまったくない環境下に置かれた人間の体内時計が、どのようなリズムを刻むかを調べる実験が日本を含む各国で行われています(時間隔離実験)。その結果、こうした状況の中で本能的に発動される人間の体内時計の周期は1日=約25時間であることが判明しています。

     どうやら人間にはそもそも約25時間で1日を送るリズムが内蔵されており、「第三の眼」とも呼ばれる脳の松果体が毎日、朝日を知覚することで、これを24時間周期にリセットしながら暮らしているようなのです。

     この約25時間という周期がどこから来るものなのか特定できてはいませんが、月による1日とほぼ同じサイクルである点は大変興味深いといえます。

     約24時間50分は潮の満ち干きの周期でもあります。それは生命が誕生した太古の海の記憶なのでしょうか。あるいは母親の胎内にも潮汐があり、そのときの記憶が刻まれているのでしょうか。


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