月を識る
  • ●読み方● 和暦=旧暦/月の出入=東京で月の中心が地平線に重なる時刻/(二)=二十四節気/(雑)=雑節/(節)
    =節句/(年)=年中行事/G暦=グレゴリオ暦 (新暦)/データ出典…暦要綱・暦計算室(国立天文台)/※月満ち欠け図は目安です。免責事項
  • 目 次

  • 月の基礎知識

    09. サロス周期

    ◇「1サロス」≒「19食年」

     日食の発生を知るうえで重要なのが太陽に対して交点がどの位置にくるかという点ですが、太陽がひとつの交点と重なってから再び同じ交点に戻るまでの周期は「食年」とよばれ、346.6201日であることがわかっています。つまり太陽は半食年にあたる約173.3日ごとに昇交点、降交点とそれぞれ1回ずつ重なるわけです。

     そしてこの食年の19サイクル分は、サロス周期とほぼ一致します。さらにサロス周期は交点月朔望月近点月の最小公倍数ともほぼ一致しています。

    サロス周期=6585.321日
    19食年=6585.781日
    242交点月=6585.357日
    239近点月=6585.537日
    223朔望月=6585.321日

     1サロス=6585日というのは、これら4つの異なる月の挙動サイクルの歯車がまさしくすべて1点でちょうど噛み合う周期だったのです。ある日食から6585日を経過すると、月と太陽と地球の微妙な位置関係が再び前回とほぼ同じ状態に戻り、同じ日食があらわれるというメカニズムです。

     もっともサロスはあくまでも同条件がそろうことでひとつの系列として分類できる食の周期であって、日食や月食自体は上でも述べたとおり毎年2~3回は少なくとも起こっています。要するにサロス周期にしたがってめぐる複数のシリーズの食が歴史上ずっと起こり続けており、そのいずれかを私たちは毎年おおむね2〜3回程度、観測しているということです。


    ◇サロスが同じシリーズの食

     現に2009年トカラ列島の皆既日食の約半年後にあたる2010年1月15日(和暦では前年2009年の12月1日)にはアフリカから東南アジアにかけて金環日食が見られました。半年という期間はサロス周期にはまったく満たない長さです。したがって当然、これはトカラ列島の皆既とは異なるシリーズのサロス周期に分類される食になります。

    左にあげた例でメキシコ、トカラ、北アフリカと、同じシリーズなのに観測できる地域が日食のたびに異なるのは、1サロスが6585日きっかりではなく、プラス0.321日という端数をもっているから。0.321日は約 8 時間= 1/3日。この間に地球は角度にして360度×1/3=120度分、自転するため、1サロス後の日食が見られるのは前回の日食から120度西にズレた位置になります。ということは3サロス後は120度×3=360度で、元の位置に戻ることに。つまり、ある日食から3サロス= 54年と約1ヶ月を経ると、ほぼ同じ規模の日食をほぼ同じ場所で見ることができることになります。

     一方、2009年トカラ列島の皆既日食の1サロス前にあたる日本時間1991年7月12日(和暦6月1日)にはトカラ列島のそれと同じ条件の皆既日食がメキシコで起っており、また1サロス後となる2027年8月2日(和暦7月1日)にはトカラ列島と同条件の皆既日食が、今度は北アフリカで見られます。これらはいずれもきっちりサロス周期でめぐっており、同じシリーズの食に分類することができるわけです。

     なおサロス周期というのは太陽と月と地球の位置関係の周期であるため、日食ばかりでなく月食もまたほぼ同じ規模の食が1サロス=6585.321日ごとに起こることになります。



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