• ●読み方● 和暦=旧暦/月の出入=東京で月の中心が地平線に重なる時刻/(二)=二十四節気/(雑)=雑節/(節)
    =節句/(年)=年中行事/G暦=グレゴリオ暦 (新暦)/データ出典…暦要綱・暦計算室(国立天文台)/※月満ち欠け図は目安です。免責事項
  • 目 次

  • 月の基礎知識

    08. 日食と月食


    日食が起こる日は必ず和暦ついたち

    ◇日食は新月のときにしか起こらない

     日食は地球から見た月が太陽の手前を通過する際に、太陽の姿をスッポリ覆い隠す現象です。これは必然的に太陽と地球の間に月があるときでないと起こり得ません。

    月と地球の距離

     太陽-月-地球の順に並ぶのは新月のとき。したがって日食が起こるのは決まって和暦ついたちになります(参照:朔弦望)。

     日食のとき、地球の100倍以上もの大きさをもつ太陽と、地球の4分の1ほどの大きさの月がピッタリ重なって見えるのは、月が太陽の400分の1サイズであるにもかかわらず、地球までの距離が太陽より400倍近いからです。このため地上から眺める太陽と月はほぼ同じ大きさに見え、私たちはときに皆既日食や金環日食といった奇跡のような天文ショーに出会えることになるわけです。

     月が年々地球から遠ざかっている事実を思えば、私たち人類が存在しているいまこそ、完璧な日食を見ることのできる地球史上またとないタイミングといえるかもしれません(参照:月と地球の距離)。


    ◇新月のたびごとに日食になるわけではない理由

     しかし考えてみると、太陽-月-地球の順に並ぶ新月が日食の条件ならば、新月のたびごとに、すなわち旧暦の毎月ついたちが訪れるごとに日食となりそうなものですが、実際には年に2度ほどしか日食は起こりません。どうしてでしょうか。

     それは月の公転軌道(白道)が地球の公転軌道(黄道)面に対して約5度の角度で傾斜しているから。この傾きがあることで、新月だからといって必ずしも日食とはならず、ほとんどの場合、月は地球から見て太陽の上か下を通過してしまうのです。


    ◇交点で新月が日食の条件

     月の軌道(白道)が地球の軌道(黄道)面と交差する交点の位置は、18.6年周期で黄道上を公転方向とは逆の向きにまわっており(この周期を「対恒星交点逆行周期」という)、地球から見た月が太陽を覆い隠すためには、新月のときの月がちょうどこの交点付近に位置していなければなりません。

    月と地球の距離

     すなわち白道と黄道の交点で新月になるという条件がそろったとき、月は右図のようにみずからの影を地球上に落とし、地上ではそれが日食として観測されるわけです。よって地球上で日食を見られる場所は地上に落とされた月の影の内側のエリアのみということになり、そのときどきの日食ごとに観測できる地域は変わってきます。そしてこのときの月の微妙な位置のちがいにより、部分日食になったり皆既や金環日食になったりするのです。