• ●読み方● 和暦=旧暦/月の出入=東京で月の中心が地平線に重なる時刻/(二)=二十四節気/(雑)=雑節/(節)
    =節句/(年)=年中行事/G暦=グレゴリオ暦 (新暦)/データ出典…暦要綱・暦計算室(国立天文台)/※月満ち欠け図は目安です。免責事項
  • 最近の記事

  • 千のレゴリス

    グレゴリオ暦/2015年2月2日  カテゴリー「ボヤッキー , 僕らの国づくり

    後藤さん、そしてめぐみさん  
    ―背負う責任、背負えない責任ー

    旧暦12月13日 記

     ISILの人質になっていた後藤さんがとうとう殺害されてしまいました。想定内とはいえ、毎日、彼の動向が気になって気になって仕方なく、ネット接続中は国内全国紙、通信社はもちろんアルジャジーラまで10分おきぐらいに更新しまくってチェックしていたので、ちょっとショックです。

     現実主義者の僕としては正直、後藤さんが生きて帰ることは十中八九ないだろうと思っていました。どうしてこんなときに、そんなところへ行っちゃうかなぁ、ともね。こうなった結果を自業自得だというひともたくさんいます。

     だけどなんともやりきれない気持ちになるのは、後藤さんには後藤さんなりの大義があって、それはそれで理解できるし、また彼が仕事(あるいは人生)を通じて主張していることについても非常に共鳴できるから。

     後藤さんは拉致される前に、「自分の行動はすべて自分の責任において行う。すべての責任は自分にある」旨の宣言を映像に残していました。これは望まぬ結果になったときにあとで自己責任と責められるのを想定してのことだったと思われます。事実、拉致されてしまったのち、彼の自己責任を問う声は案の定、少なくありませんでした。

     それをどうこういうつもりはありませんが、少なくともこのことから以下のことが学べます。

     それは、ひとりひとりが自己責任において行動し、生きるのは市民社会に生きる人間の当然の義務だが、責任というものには個人が自分ひとりで負えるものと負えないものがある、ということです。少なくとも後藤さんが自分ひとりで背負い込んだつもりの責任は、彼ひとりではけっして背負えないものでした。それは百戦錬磨の後藤さんの犯した致命的な計算ミスだったといえます。

     さて、今日、仕事の帰りにクルマのなかで『バラカンビート』(inter FM。マニアックな楽曲しかかからないのが好きで毎週聴いている)という音楽番組を聴いていたのですが、「今回の後藤さん殺害では日本の政権や政治家に強い憤りをおぼえる」といった内容のリスナーからのメール(ツイートかも)が、DJのピーター・バラカンさんに読まれていました。

     これは、いちじるしくお門違いの批判といわざるを得ません。メール文面そのものはあまり具体的ではありませんでしたが、僕の理解では、このメールは「安倍政権があと先を考えない行動をしたおかげで」こういう結果になったといったという主張でした。

     安倍首相の中東歴訪と2億ドルの支援のことを言っているようです。山本太郎議員の主張と同じですね。でもよく考えてみてください。これってISILがネットを通じて送ったメッセージどおりの理屈ですよね。しかもそれは日本の支援の内容を勝手に解釈したものでした。件のメールのような批判は、そんな彼らの脅迫をストレートに受け取って、そのまま無批判にオウム返しにトレースしただけといえます。すなわち、このメールを送ったリスナーや山本太郎議員の主張はむしろISILの理屈に正当性を与えて、結果的に彼らの肩をもつことになるわけです。批判者は、この点に思い至らなかったのでしょうか。

     さらにいうなら、政府の中東訪問が「あとさき考えずに行われている」なんて馬鹿なことはあり得ません。まして2億ドルという巨額の支援がセットです。そんなカネ、政府がそう簡単に動かせるわけないじゃないですか。これは何か月もじっくり時間をかけて関係省庁とも緊密に連携したうえで「あとさきを考えて」戦略的に行われたものです。当然です。連中は僕らの税金で動いているんですから。それに実際のところ、湯川さんも後藤さんも拉致されたのは昨年夏から秋で、政府の中東支援表明を機に拉致されたわけではありません。

     たしかにISILは中東支援が引き金のようなロジックを使いましたが、それは単にタイミングとして政府の中東訪問と支援が利用されただけであり、逆に中東訪問や支援がなかったとしても、また別のエクスキューズが使われたでしょう。こんなこと、ちょっと冷静になれば容易に理解できることです。これがどうしてわからないのかが、むしろ僕には理解できません。

     したがって先に紹介したメールのような批判はまるで的外れであり、「あと先を考えない行動」をしてしまったのはメールを出されたご本人ということになります。要は第一義として政権を批判したかったんでしょう。いわゆる「批判のための批判」てやつです。ルサンチマンですね。別にその方に恨みがあるわけでも怒りをおぼえるわけでもまったくありませんが、同様の主張をするひとが僕の周囲にも結構いらっしゃるので、一応書いておこうと思いました。

     それと最後になりますが、今回、後藤さん救出を願う意図で「I AM KENJI」というスローガンが世界中に広まりましたね。後藤さんは残念ながら殺害されてしまいましたが、すべての日本人はこの運動を継承していく義務があります。KENJIの部分には以下のように別の名前が入ります。

    “I AM MEGUMI”

     これは、ひとり残らずすべての日本人が背負わなければならない責任です。MEGUMIとはもちろん北朝鮮に拉致されている横田めぐみさんのこと。北朝鮮による拉致被害者は日本人だけで100人以上いるとされます。

    RSS RDF ATOM   

    このウェブサイトについて特定商取引に基づく表記プライボシーポリシーお問い合わせ

    Copyright © 2006-2019 88d All right reserved.